私が大阪拠点で出会った、当時30名規模の会社を経営する社長様とのある日の出来事です。
その社長様は「結果が出ていない社員を辞めさせるかどうか」ということで、数週間ずっと悩まれていました。その社長様に対し、私は「とにかく話を聴くことに徹すること」「問いかけること」「伝えること」に努めながら、電話で3時間ほど話し合いました。
そして、社長様がこれから創りたい組織像もビジョンも知っている私だからこそ、その時に感じたことを素直にお伝えさせていただきました。
しかし、社長様に納得していただくことができず、非常に感情的になられてしまいました。
「数時間、時間を置いてから、落ち着いて“もう一度、会って話しましょう”」
そうご提案させていただき、実際に社長様のもとへ赴き、話し始めたのは、その日の夜22時30分を回っていました。
その結果、社長様は「あいつらが自ら辞めると言わない限り、最後まで面倒をみます」と宣言されました。そして、「あいつらが悪いんじゃなかった。むしろ、辞めずによく踏ん張ってくれていると思う。
むしろ、俺の目線が下がっていた。俺自身がもっと成長して、視座を上げていかなあかん」と、率直な気持ちを話してくださいました。
後日談ですが、社長様から私の上司に対して、「『大村さんは社長でもないくせに、なんで俺にこんなに言うてくんねん』と思ったけれど、同時に『このままじゃ会社は40名もいかないですよ』と言われて、その通りやと思った。この一連を通して『大村さんはなんで、こんなに真剣に関わってくれるんやろう？だったら、俺も真剣に向き合わないと失礼やな』と思わされました」とひそかにおっしゃってくださったそうです。
この出来事から約1年半が経ちますが、その後、社長様は自らの行動を変え、社員様ときちんと向き合い、より愛を持って関わってくださるようになりました。
今となっては、当時社長が頭を悩ませていたその社員様も活躍され、社員数も30名から約70名にまで増え、当時一緒に創らせていただいた理念を基に、事業内容も大きく変えながら、上場に向けて更なる高みを目指していらっしゃいます。
私の東京転勤が決まり、大阪出社の最終日、サプライズムービーと社員の皆様が一人ひとりメッセージを用意してくださり、皆さんに見送っていただきました。涙が止まらないくらい嬉しく、このシゴトの醍醐味を、私に感じさせてくださったお客様でした。

「可能性を信じて、真正面から関わること」です。
これまで多くの企業様と関わらせていただきました。
多くの会社様全体の雰囲気として、ネガティブな考え方をお持ちだったり、受け身で指示待ち体質であったり、社員様に会社に対する諦めの感情があったり…。
様々な状況のお客様とご縁がありました。その中でも、更なる成長のために努力され、息を吹き返して成長されたお客様が数多くいらっしゃいます。
その企業様に共通していることは、経営者様が悩みながらも、最後まで諦めずに立ち向かわれるということ。
だからこそ私も、少しでも光が見えるのであれば、その可能性を誰よりも信じ、目の前のこと・目の前の人に対して真正面に対峙させていただきます。